
毎年の登場を心待ちにするファンも多い、「中川政七商店×牛乳石鹸 赤箱」コラボアイテム。日本の工芸をベースとした生活雑貨のブランドである中川政七商店と牛乳石鹸 赤箱がなぜタッグを組み続けているのか、その理由を中川政七商店のデザイナー・青野洋介さんにお聞きしました。今回の注目商品のものづくりを手掛けた創喜の出張耕平さんと語る、制作時のこだわりポイントも必読です!
左/中川政七商店 デザイナー 青野洋介さん
右/創喜 代表取締役社長 出張耕平さん
Index

暮らしにまつわる
コラボアイテムが今年も登場!

Q. 長年、コラボを重ねている中川政七商店と牛乳石鹸 赤箱。共鳴する理由はどこに?
青野さん
中川政七商店は1716年に奈良で創業。“日本の工芸を元気にする!”というビジョンのもと、全国のメーカーさんとともに、現代の生活に合う暮らしの道具を作っています。一方、牛乳石鹸の赤箱は、昔ながらの製法で作り続け、全国で幅広い世代の方に愛されている“暮らしの道具”ですよね。しかも、中川政七商店は奈良、牛乳石鹸は大阪…と、隣り合わせの府県でスタートした老舗同士。こういう共通した背景から、お互いのファンにそれぞれの魅力を届けられたら…という気持ちを込めてコラボアイテムを作っています。
9種類のコラボアイテムが登場!
中でも注目のアイテムは?

Q. 今回はどんなコラボアイテムが登場するのでしょうか?
青野さん
老舗靴下工場の創喜さんで作ってもらったネックウォーマーをはじめ、絹糸を使った洗顔ミトン、波佐見焼の石けん置き、ボディタオルやハンカチなど、日々の生活の中で便利に使えるアイテムが多数登場します。しかも、そのどれもが赤箱の持ち味でもある懐かしさやかわいらしい世界観をうまく落とし込んだものばかり。牛乳石鹸 赤箱とのコラボアイテムは年を重ねるごとにファンが増えていて、中には毎年楽しみに集めてくれている方もいるんです。店舗に並べると赤と白の鮮やかな色で空間がにぎやかになって、思わず目を引くコーナーを作れるのも魅力ですね。
何度もブラッシュアップしたからこそ
満足できる仕上がりに

Q.今回のコラボアイテムを作る工程で特に印象深かったことは?
青野さん
思い通りのものを作り上げるためにも、完成までに何度も改良を重ねる必要がありました。例えば今回作った「おやすみネックウォーマー」でいうと、最初は端をかがり縫いするのに白色の糸を使っていたのですが、それだと製法上、本体の赤い糸がチラチラとはみ出て綺麗に仕上げられないことが判明。何度も試作してはその都度微調整して改善し、ようやく納得できるものに着地することができました。
毎年のコラボを通して感じるのは、牛乳石鹸さんのものづくりへの真摯な目線。サンプルチェックひとつを取っても、細部まで丁寧に確認して、さらなる改善につながるポイントまで提案してくれるんですよ。長年愛され続ける“ものづくりの会社”ならではの視座の高さを実感する瞬間ですね。
デザイナーのイチオシは
ネックウォーマー&あずま袋!

Q.バリエ豊かなコラボアイテム、個人的なおすすめは?
青野さん
今回のアイテムの中には、もともと中川政七商店の定番人気品の色を変えてコラボ仕様にしたものもあるんですが、糸の選定から始まり機能性にもこだわった「おやすみネックウォーマー」は特にオリジナル要素が高い一品。赤箱のしっとりとした泡立ちや保湿感をイメージし、保湿機能を持つ糸で作りました。これは赤箱ファンに響くものができた! と、僕の自信作のひとつです。
出張さん
素材として採用したのは、沖縄産のアロエベラから抽出した保湿成分を練り込んだアクリルレーヨンウール。温かみのある糸で肌あたりが柔らかく、ネットに入れれば洗濯機での洗濯もOKと手入れが簡単なのも特長です。赤箱らしい鮮やかな赤の発色もポイントですね。
青野さん
ノスタルジックなデザインと製法で作ったあずま袋もお気に入りです。赤と白で色を切り替えたあずま袋に赤箱を入れて銭湯へ行くと、気分が上がること必至! 開口部には赤箱のCOWのロゴと同じ金色のスナップボタンをつけたのもこだわりです。中身が見えにくく、使わないときは畳むと平たく小さくなるので、コンビニエコバッグとしても活躍しますよ。

Q. できあがったコラボアイテム、社内の評判は?
青野さん
ずらりと並んだ様子を見て、「かわいい!」との声があちこちから上がりました。特に、ネックウォーマーは実際に手に取って「やわらかい」「気持ちいい」とコメントする社員が多かったですね。中には「これって創喜さんと作ったの? 靴下のイメージだったけど、こういうアイテムも作れるんだね」と驚く声も。伝統的な靴下づくりだけではなく、新しいものづくりに積極的に取り組んでいる創喜さんとなら今後もいろいろと新しいチャレンジができるし、コラボアイテムのアイデアも幅が広がる! という思いを新たにしました。
日本のものづくりの面白さを
もっと知ってほしい!

Q. 今回のコラボを通じて、伝えたいことは?
青野さん
中川政七商店では“日本の工芸を元気にする!”をビジョンに掲げていますが、工芸というものに対して「敷居が高い」「堅苦しそう」という印象を抱く人がまだまだ多いのも事実。でも、創喜さんをはじめ、たくさんのものづくりメーカーがそれぞれ面白いものを作っているんです。それをもっと世の中に伝えたい。赤箱ファンの方にも日本のものづくりの面白さを知ってほしいし、中川政七商店のファンの方にも、生活のいろいろなシーンの中で楽しむ赤箱との時間を提案したいですね。
中川政七商店:https://www.nakagawa-masashichi.jp/company/
創喜:https://www.souki-knit.jp/
中川政七商店コラボ2025オンラインショップ:https://cow-soap-online.jp/shop/e/ecolabo03/
Summary
長きにわたり、ものづくりに実直に取り組んできた中川政七商店と牛乳石鹸。お互い、丁寧なものづくりの姿勢にシンパシーを感じていた2社によるコラボは、ライフスタイルにやさしく寄り添ってくれるものばかりです。
後編では、注目アイテムやそれぞれの赤箱体験について、さらに詳しくお聞きします!