やさしさのヒミツ「AKABAKO FACTORY」

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手間と時間をかけて、職人たちの手によって作られている「赤箱」。
一体、どんなところで、どんな工程を経て作られているの?そのヒミツを探るべく、今回は「赤箱」製造現場である牛乳石鹸の工場について調査しました。

Index

日本最大級の巨大な石けん工場で
1日最大50万個の石けんを製造

大阪に本社を構え、大阪市鶴見区にある安田工場で日々「赤箱」を生産している牛乳石鹸。工場が完成した1963年当時は、東洋一の化粧石鹸マンモス工場として広く注目を集めました。甲子園球場の約1.2倍の敷地面積を持つ工場では200名以上のスタッフが働き、1基につき約25万個の石けんを作ることができる直径4.3m、深さ6.2m、容積60㎥​の大きな釜が11基もスタンバイ。日本最大規模の工場で、1日最大50万個、1年で1億2千万個以上もの石けんが作られています。

石けんの製造工程は、大きく分けて、けん化、乾燥、混合、成型、包装という5つの工程があり、完成までに約1週間かかります。製法や原料は同じですが、外気温や湿度などの要因によって反応が変わるため、熱のかけ方やかくはんの仕方、原料を加えるタイミングなどをその日の状況に合わせて職人が判断し、臨機応変に対応しているのも特長。製造時に使われる機械の多くは、石けん製造設備として実績が高く、耐久性に優れるイタリア製。どれも工場のサイズに合わせたオーダーメイド、という点にもこだわりが感じられます。

あえて手間のかかる釜だき製法で
油脂をけん化することで、
肌あたりのやさしい石けんに

牛乳石鹸が採用しているのは、天然のうるおい成分が程よく残る釜だき製法(けん化塩析法)。精製した牛脂、ヤシ油に水と水酸化ナトリウム、食塩水を加えて加熱かくはんすると、化学反応(けん化)が起こって液面がクリーミィーに変化。その後食塩水を加えて塩析を行い1晩静置。もう一度塩析を行いさらに2日間静置。こうして約1週間かけて不純物を分離することで、純度の高い良質な固形石けんのもと=ニートソープができあがるのです。巨大なけん化釜から、蒸気がモクモクとあがる様子は圧巻!

製品によって異なる香料や
うるおい成分を混合

けん化釜からくみ出したニートソープを真空乾燥機で急速乾燥させて作ったチップ状の石けん素地に、赤箱にはローズ調の、青箱にはジャスミン調など製品ごとに異なる香料や添加物を配合。ミキサーを使い、入念に混ぜ合わせます。しっとりとした洗い上がりが特長の赤箱には、お肌の保護成分(保湿)のミルクバター(なんと、食用品質のミルクバター​!)が青箱の約10倍も入っているそう。これら香料などの配合は機械により自動化されているため、“ずっと変わらないやさしさ”を安定してお届けできるのです。

3度の練り工程を経て
おなじみの形に成型

香料や添加物を配合した石けん素地をリファイナー(混練機)に入れて均一に練り上げ、再びチップ状にすること3回! 練りの作業を繰り返すことで生地がよく練られるため、割れにくい石けんを作ることができるそう。均一に練り上げられた石けん素地はプロッダー(押出機)で棒状に押し出したのち、一定の長さにカットしたあと、マイナス15~20℃に冷やされた型打ち機で石けんの形に成型。同時に、ロゴマークを型打ちします。カットされたばかりの石けんバーは手で曲げられるほどやわらか!

厳しい検品を通過したものだけが
全国のお客さまのもとへ

型打ちされた石けんは汚れやゴミが付着していないことを確認してからピロー袋に包み、1個ずつ箱詰め。異物は入っていないか?など、品質を調べるために重量検査やX線検査、こまめな目視を行うことで、厳しく検品しています。こうしてさまざまな工程を経ておなじみの箱に詰められた「赤箱」は機械で6個箱や段ボール箱に収納され、大阪・安田工場から全国へと出荷されるのです。

牛乳石鹸安田工場
Q&A

(Q1)
SDGsにも熱心に取り組んでるって本当?
(A)
2013年に大阪ガスとの共同開発で完成した「甘水エコロジープラント」では、けん化工程で排出される廃液=甘水を下水放流が可能な水質にするとともに、生成されるメタンを主成分とするバイオガスを回収。工場でボイラーの燃料として有効活用しています。ほかにも、二酸化炭素の排出量を削減するために包装における石油資源由来プラスチックの使用量を減らすなど、サステナブルな取り組みを続けています。

(Q2)
工場見学はできるの?
(A)
残念ながら一般公開はしていませんが、ウェブ上で「バーチャル工場見学動画」を公開しています。4K・高画質の360度VR工場見学が可能で、工場内を上から見渡したり、石けん釜の中をのぞいたり、包装ライン一連の流れを追いかけることもできます。パソコンやスマホで気軽に見られて、動画の中には牛乳石鹸に関するクイズもあるので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

Summary

昔ながらの釜だき製法と先端技術を掛け合わせ、品質管理を徹底して作られる「赤箱」と「青箱」。普段何気なく使っている石けんですが、たくさんの工程と大勢の職人の手間を経て1つひとつ“やさしさ”を込めて作られていることを知ると、これまで以上に愛着を持って使えるようになるかもしれませんね。

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