1928年に発売されて以来、ロングセラーを誇る固形石けん「カウブランド赤箱」(以下、赤箱)。
最近では“洗顔にも使えるプチプラコスメ”としても注目されています。今回「美容でときめく世界を、一緒に」をコンセプトに掲げる美容メディア「Mimi Beauty」の編集長・中谷さんと遠藤さんが、大阪市鶴見区にある牛乳石鹸安田工場へ! 赤箱が長く愛されるヒミツを探りました。
Index
Mimi Beautyにとって
赤箱はどんな存在ですか?
Q. 2025年で発売97年目を迎える赤箱ですが、Mimi Beautyのお二人はどんなイメージをお持ちですか?
中谷さん
みんなのお家にある欠かせないもの、でしょうか。世の中にさまざまなアイテムがある中、赤箱が選ばれ続けていることはすばらしいですよね。あと、何歳でも、どんなシチュエーションでも使えるのがいいなと思います。最近では、洗顔に赤箱を使う“赤箱女子”や“赤箱洗顔”という言葉も登場しました。スキンケアアイテムとしての印象が強くなりましたね。
遠藤さん
美容オタクが多いMimi Beautyのユーザーは商品の良しあしを判断したうえで、本質的なブランドを支持する傾向があるのですが、赤箱はまさに本質が詰まったブランドだと思います。同じく美容オタクの私も、その“ブランドの深さ”に共感しています。
森元さん
赤箱は体だけでなく、洗顔にもいいと注目いただいていますが、実は作り方にこだわりがあって、昔から作り方をほとんど変えていないんです。「釜だき製法」(けん化塩析法)という製法で、高品質の牛脂とヤシ油を使い、天然油脂由来のうるおい成分がほどよく残るよう作られています。
中谷さん
へえ、ずっと昔から守ってきた作り方の石けんが、実は洗顔にもぴったりだったということですか?
森元さん
そうなんです。原料から製法までこだわっているからこそ、赤箱を洗顔に使っていただける方が増えてきているのではないでしょうか。そんなこだわりの石けんがどのような工程を経て完成するか、ぜひ実際にご覧ください。工場へご案内しますね!
Mimi Beautyの2人が
工場内へ初潜入!
最初に、けん化釜のエリアに足を踏み入れた中谷さんと遠藤さん。その道25年の職人さんから、固形石けんのもとが完成まで1週間ほどかかるという釜だき製法のプロセスについて説明を受けました。「牛脂、ヤシ油に水と水酸化ナトリウムを加えて加熱・撹拌すると“けん化”が起こります。その後、様子をみながら食塩水を加えて石けんと不純物に分離させることで、釜の上層に良質な石けんができ、これが固形せっけんのもとになるのです。」と職人さん。
石けんの製造方法は釜だき製法と中和法の主に2種類あり、釜だき製法は熟練した職人の技が必要で、中和法に比べて手間がかかるといいます。「牛乳石鹸はうるおい成分が残る釜だき製法にこだわり、釜だき製法のための大規模な設備を備えています。この規模で釜だき製法を展開している会社はめずらしいですよ」(職人さん)
遠藤さんは「釜だき製法のおかげで、天然油脂由来の保湿成分を適度に含んだ石けんができあがることがわかりました。赤箱が注目されているのも納得!」と話します。
職人さんが食塩水を加えて調整した釜にへらを入れて、ニートソープの仕上がり具合を確認する様子を見学。釜の温度は、なんと90℃ほどだそう! モクモクの湯気に包まれながら、へらにつきすぎず残りすぎず……絶妙な塩梅を見定めています。ちなみに、この釜1つで25万個もの石けんができます。
ニートソープを乾燥させて作ったチップ状の「石けん素地」をつまむと、「手触りはヌメヌメではなく、サラサラ!」と遠藤さん。中谷さんは石けん素地のにおいや固さを確かめながら、「指でぎゅっと押すと形が変わるぐらいの固さです」と教えてくれました。
できたてほやほやの
貴重な石けんバーを
触ってみた!
石けん素地にローズ調の香料などを加え、棒状にカットされたできたてほやほやの石けんバーを手に満面の笑みの2人。成型しやすくするために温められた石けんバーは、ねじれるほどやわらか! これを-15℃ほどに冷やした金型を使って成型します。おなじみ“COW”のロゴを金型の中に発見!
1つずつ箱詰めされた赤箱が運ばれる様子を見て、中谷さんは「赤箱列車!」とうれしそう。みなさんが使っている赤箱はすべてこの安田工場で作られ、全国各地に向けて出荷されます。
これで工場見学は終了。最後に敷地内の「歴史資料館」へ移動し、牛乳石鹸の創業当時の製品やパッケージのデザイン画、ポスターなどをじっくり見て回りました。
「赤箱はただものではない……!」
工場見学の感想は?
Q. お疲れさまでした! 工場内を見て回った感想をお聞かせください。
中谷さん
初めて石けん工場を見学したのですが、規模の大きさや、熟練の職人さんがいることに驚きました。手作業にこだわって石けんが作られていたのも予想外。100年以上もの歴史がある会社だからこそ、他社にはまねできない、大切に守られてきたものがあるのだと感じました。
遠藤さん
長年見慣れている赤箱が、あれだけの技術と手間をかけて作られていることを実感できました。この時代に、あえて機械化していない点が印象的でしたね。職人さんの肌感覚を大事にしながら石けんを作り続けていることを知り、「赤箱はただものではない……!」と改めて思いました。
Q.歴史資料館をご覧になってみて、いかがでしたか?
中谷さん
赤箱が誕生した当時のパッケージを見て「意外と変わっていないな」と思いました。今見ても、レトロなデザインでかわいいですよね! 資料館の中にあった番台のフォトスポットもいい雰囲気でした。
遠藤さん
戦時中に使われていた石けんや、国民的アニメに牛乳石鹸の商品が登場しているイラストが展示されていたのを見て「赤箱はみんなの中に長年生き続けている、当たり前の存在なのだ」と痛感しました。
Summary
おなじみの赤箱が、職人さんの手によって丁寧に作られていることを肌で感じたMimi Beautyの中谷さんと遠藤さん。後半では、2人が赤箱で洗顔した感想をレポート。もちもちの泡は必見です!